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なぜか日本でだけ行なわれている「子宮全摘出手術」

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なぜか日本でだけ行なわれている「子宮全摘出手術」

 ケース1 「上皮内がんで手術を勧められた」

   『
私が子宮頸がんと診断されたのは5年前です。
   2005年の夏、31歳の時に市が行なっている健康診断で、細胞診で3bと診断されました。精密検査のために市立病院の産婦人科を紹介され、組織診で高度異形成と言われました。この組織診はあまり痛いものではないといわれていますが、私は痛いのです。長いはさみを膣から挿入して、米粒くらいの組織を切っていくのですが、ちょっと悪くて硬くなっている部分を何ヶ所も切るのです。もちろん麻酔なしです。

   子宮頸がんと診断されて、最初はびっくりしてしまいました。
   市立病院へ通い出して1年経った2006年の9月のことです。自宅に電話があり、「ちょっとお話があるので病院へ来てください」と言われた。これは「異形成が進んでしまったんだ」と思い、すごくドキドキしました。病院では、「これは上皮内がんで、腺がんです」と言われ、今後どうするかを尋ねられました。女医の先生は、流れ作業の事務的な感じの診療でけっこう冷たい。患者ともあまり話しをしないし、私にはよいイメージが全然ない。

   先生からは円錐切除手術を勧められた。
   妊娠、出産に支障はないと説明を受けましたが、私には少し抵抗があって、そのために悩みました。私の母親が近藤先生の本を読んでいて、「近藤先生のところに行こう」と言ってきた。実は祖母が最近肝臓がんで亡くなっていて、母親はそのときに近藤先生の本を買い込んで読んでいたのです。で、抗ガン剤をやらなければよかったね、と言って後悔していました。祖母は国立がんセンター東病院へ入院してすぐ、3ヶ月くらいで亡くなったのです。それも抗ガン剤の治療を受けてからが早かった。しょっちゅう嘔吐して、体力もなくなり、抗ガン剤をやるまではものすごく元気だったのです。

   しかし問題は、市立病院の先生が紹介状を書いてくれないことでした。
   先生が言うには、私が未婚で出産経験もなく、もし近藤先生のところで放射線治療を行なうと、妊娠できなくなってしまうからというもので、そのために先生とけっこうもめました。「そんなところへは紹介できない」と、電話口でのやり取りが大変だった。

   でも母親と、「直接、近藤先生のところに行ってしまおう」ということになり、慶応病院へ電話したのです。そうしたら先生が電話口に出てくれて、「来なさい」と言ってくださったのです。しかし市立病院の先生からは、「病理サンプルなども出さない」と言われた。それで近藤先生に一筆書いてもらったら、すんなり出してくれました。「これは市立病院へ返却しないで、君がもらっておきなさい。記念として」と言われ、近藤先生には感謝しています。

   「こんなのはおできみたいなものだから、全然気にしなくていいよ」と近藤先生から言われ、それでもう、私は安心した。今はもう何とも思っていません。切らなくて本当によかったなぁと思っています。友人が扁平上皮がんの子宮頸がんが見つかり、円錐切除の手術をして子宮頸部を切除しました。その後2回妊娠したのですが、2回とも流産してしまった。多分、円錐切除の手術が流産の原因ではないかと思っています。

   私は最初は不安だったのですが、近藤先生と話しているうちに、今では自分ががんだという意識さえも薄れてしまっています。あれからもう5年も経ち、今6年目です。私も最初は一生懸命勉強して調べましたが、最近はもう安心して何も勉強していません。欧米では慢性炎症と見ている医師が多く、上皮内がんまではがんではないのです。現在、近藤先生のところには、半年に1回のペースで受診しています。もう近藤先生でないといやだな、というのがあります。』
                            sun

 子宮頸部の上皮内がんは、ほとんどが「がん・もどき」

   
子宮頸部の上皮内がんを放置・観察した研究があります。
   アメリカの高名ながん専門病院で67人を経過観察したところ、ゼロ期(上皮内がん)から1期(浸潤がん)に進行したのはわずか4人のみでした。浸潤した可能性があるが断定はできないケースが5人。残りの58人中、上皮内がんにとどまった人は41人に上り、あとの17人は自然消滅してしまった、という報告です。(Canser 1963;16:1160)・・・。上皮内がんは放っておけば消えてしまうのが原則で、スウェーデンでの研究では上皮内がん100人の内、99人のがんは消えてしまうと推定されています。(J Natl Canser Inst 1993 ;85:1050)

   私もこれまで何人もの上皮内がんの放置経過を診てきましたが、全員が浸潤がんには進行しないでいます。最長では20年以上になります。今では上記のケースのように組織検査をすることは止めていますが、かつて組織診をしていた頃、がんが消えたという報告をもらった患者が2人います。ですから結局、子宮頸部の上皮内がんは「がんもどき」なのです。仮に浸潤していても、1期の浸潤がんの圧倒的多数が「もどき」なので、手術前に上皮内がんと診断されたものの99%超は「もどき」であると言えるのです。・・・。

   本件の患者は組織診が痛くて「いやだ」と言っています。
   婦人科医からすれば、組織診をしなければ分からないのだから文句を言うな、というところでしょう。しかし出発点が「異形成」で、上皮内がんも「もどき」ですから、客観的に見ると不必要なことをして患者を苦しめているだけなのです。

   本件の患者の最初の市立病院の担当医は、私のところへ行けば放射線治療になると考えていたようです。が、それは誤解です。私はゼロ期のがんに放射線治療は勧めないことにしています。なぜなら放射線治療をすると卵巣機能がとまるので、更年期症状が出たり、不妊症になったりするからです。放射線は「もどき」に対する治療としては過剰なのです。


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