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「従軍慰安婦キャンペーン」を始めたのは朝日新聞だった③

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「従軍慰安婦キャンペーン」を始めたのは朝日新聞だった③

   「慰安婦」は日本軍によって「強制的」に連行された、との主張を全面に掲げ、1997年3月31日の紙面で大キャンペーンを打ったのは朝日新聞であった。果たしてこの主張は客観的な歴史の事実に基づくものなのか、それとも日本を貶めるためのデマなのだろうか。

   朝日新聞を中心とした「従軍慰安婦は存在した」派は、簡単にいえば戦前の日本が、「韓国人一般女性を強制的に『性奴隷』にするという罪を犯した」と告発しているわけである。そこで、私が被告「日本国」の弁護人になろう。そして弁護側の主張は「被告は無罪」、すなわち「強制連行による従軍慰安婦は存在しなかった」である。

   私が「日本はこの件に関しては無罪」と主張する最大の根拠は、藤岡信勝氏らがすでに指摘しているように、韓国が戦後久しく、この「慰安婦の強制連行」について少しも問題にしてこなかった点にある。韓国が問題にし始めたのは、1990年代に日本のマスコミ、つまり朝日新聞が取り上げて以降のことなのである。

   韓国には今も強い反日感情がある。
   その国民が、もし自分の国の女性が強制連行されて慰安婦にされたという事実があったなら、戦後50年近くも黙っているわけがないではないか。本人が恥ずかしくて名乗り出られなくても、公然と行なったことであれば、その家族や同胞が黙っているはずがないだろう。必ず抗議し、問題にするはずである。これだけでも被告「日本」は十分無罪だ。

   念のために付け加えておくが、今に至るまで「強制連行」の物的証拠は一つも発見されてはいないし、文書の1枚も出てこない。もし軍が公然と強制連行をやっていたのなら、命令書や伝票(輸送、食糧、衣料支給、報酬)に関わるものが相当数用いられたと考えられる。

   この問題の発端は、吉田清治なる人物が、「韓国の済州島で朝鮮人女性を強制連行した」、という記述を著書に載せたことからであった。そしてこの著書と「証言」は、朝日新聞によって「従軍慰安婦キャンペーン」なるものが行なわれるたびに、何度も何度も繰り返し登場した。しかしこの吉田「証言」なるものは、全くのデタラメであることが現在は確認されている。

   そうしたことが明らかになった時点で、公的な報道機関であれば、都合の悪い事実であっても誤報を出した責任を認めて、正式に謝罪するのが本来のあり方だろう。それが社会におけるジャーナリストとしての報道機関の潔い態度である。しかし朝日新聞はこの問題について、ずっと無視し続け頬かむりをしてきた。そして今年の3月31日になり、ついにごまかしきれなくなって、次のように書いた。

   「間もなく、この(吉田清治)証言を疑問視する声が上がった。済州島の人たちからも、(吉田)氏の著述を裏付ける証言は出ておらず、真偽は確認できない」
                                (朝日新聞97年3月31日付け朝刊)

   「証言が出ない」のなら、それは「偽り」であることが「確認できた」のである。
   しかもこの3月31日の朝日の紙面は、「従軍慰安婦は存在した」という大特集である。あまりに量が膨大なので詳しくは図書館で読んでもらうのが一番よいが、まず指摘したいのは「強制連行」がなくても「強制性」があれば同じこととする、問題のすり替えが行なわれている点である。しかしそうではない。最初にこれが大問題になったのは、公的な「強制連行」による「性奴隷」という点であったからだ。

   そういう罪状で「日本」を告発しておきながら、「強制連行の立証」が不可能だとわかるやいなや、「強制性」があれば同じことだというのも卑怯な態度である。まさにムチャクチャな「暗黒裁判」である。 この日の記事で朝日新聞はこの「経緯」について、「マスメディアで繰り返し取り上げられるようになったのは、韓国の元慰安婦らが1991年末に、日本政府に補償を求める訴えを東京地裁に起こした前後からだ」として、いかにも吉田(清治)証言のインパクトが低いように紹介しているが、吉田の著作は89年の段階ですでに韓国版が出ている。

   では「名乗り出た従軍慰安婦」たちの証言はどうなるか?
   これが裁判であれば、単に「私は被害者だ」と言う証言をそのまま鵜呑みにはしないはずで、事実であるかどうかを検証するだろう。それについては秦郁彦氏が、「慰安婦『身の上話』を徹底検証する」(『諸君!』1996年12月号)で述べているので読んでいただきたい。結論だけ言えば、「総合してみると、朝鮮半島においては日本の官憲による慰安婦の強制連行はなかったと断定してよい」である。

   ではどうして、そうした「証言者」が現われるのだろうか?
   実はその仕掛け人がいるのである。「中立」の資料を一つあげておくが、これは毎日新聞のソウル特派員の記事である。

   「実は私自身も、慰安婦問題で糾弾活動を続けた運動団体に当初から違和感があり、この問題に積極的にコミットする気持ちになれなかった。1989年末に、日本人女性と在日韓国人男性がソウル支局を訪ねて来た。彼らによると、『韓国人の戦争犠牲者を探している。目的は韓国側から日本政府に謝罪と賠償を行なう裁判を起こすためだ。それで韓国人犠牲者を原告にしたい』という主旨であった。歴史の発掘という努力はともかく、『原告を探す』という発想には正直驚いた。(中略)

   そして翌年、韓国の『太平洋戦争犠牲者遺族会』は、このグループなどの支援で東京地裁に裁判を起こした。その後、『韓国人女性を従軍慰安婦として強制連行した』と述べた男性が、昨年謝罪のために訪韓した。私は彼と1時間ほど話したが、『今回の旅行経費の一部は、同行取材した東京のテレビ局に出させた』と話すのを聞きながら、思わずまじまじと顔を見てしまった」 (下川正春記者・ソウル支局 毎日新聞社93年9月9日付け朝刊)

   毎日新聞の記者には「見える」ことが、なぜ朝日新聞の記者には「見えない」のか。


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