「3つの幾何学パターン」が脳内を活性化する ②
ハトホルたちは最初に、基本となる3つの幾何学パターンを伝え、そこから最大の恩恵を引き出す方法を詳しく説明してくれました。その後約1ヶ月にわたり、私はこの3つの幾何学のワークに熱心に集中して取り組んだ結果、ようやく彼らの言っていることがわかるようになりました。これらの幾何学に取り組んだ後は、自分の脳が元気を取り戻し、うまく表現できないのですが、しばしば自分の在り方が切り替わったように感じることがありました。
この練習をするたびに、より大きな結果が出せるようになり、ひと通り終えると、まるで脳が帯電しているような感じがしました。しかもそれだけではなく、ものごとの重なりを見通す目や多次元的な現実を知覚する能力が高まり、その感覚がますます増していくのがわかりました。
この3つの幾何学パターンにはそれぞれに名前があり、最初のもっとも単純なものは8の字やメガネ、無限のマークに似たものであったことから、<無限パターン>と呼ばれました。頭の中でこの形を描いていると、脳梁(のうりょう)が刺激されて、脳の2つの半球のあいだで神経学的な交流が活発になるように感じられました。この感覚はあくまでも主観的なものですが、しかしそれでもこの幾何学ワークにより、論理的かつ直感的な方法で問題に対処する能力が高まったのは確実です。
2番目の幾何学パターンは、原子核を周回する電子の軌道に似ていることから<原子パターン>と呼びました。中心の原子核に当るのは脳であり、それを周回する電子はイメージする光の点です。光の点を一定のパターンを描きながら頭のまわりを周回させると、脳にエネルギーが注がれるように感じました。3番目に教えられた幾何学パターンは、<黄金正八面体>というものでした。
この3つの幾何学パターンは、私にそして私の脳の処理能力に、否定しがたい影響をもたらしました。私は自分のその体験から、それが他の人にも大きな影響を及ぼすのかどうかを知りたいと思いました。そこで私は3つの都市に会場を設け、この幾何学パターンの効果を体験する希望者を募り、無料でワークショップを開催しました。そこには高度な技術を持つ専門家から一般人や学生まで、幅広く人々が集まりましたが、その結果は驚くべきものでした。ここでは何人かの例を紹介します。
芸術的創造性が戻ってきた
ロンは芸術家であり、同時に地元の大学で美術を教える芸術学部の学部長をしていました。しかし彼は数年前から、芸術家としても、また美術を教える教師としても仕事に魅力を感じなくなっていたのです。それに学部長という立場にもあったことから、管理職という立場が壁のように心理的な圧迫をもたらしていました。それで彼は学校の運営や教員たちの監督という務めにだけ奔走することで、自分がずっと感じている創造性の虚しさから逃げてきたのです。
危機が訪れたのは、半年に1度行なわれる学部職員による美術展の通知でした。
美術学教授として新作の出展を同僚に打診された時、立場上も出展しないわけにはいかず承諾はしたものの、彼には創造的な発想がまったくなかったので途方にくれてしまいました。
彼は毎晩、アトリエにこもっては独創的な作品を生み出そうと試みましたが、頭の中は真っ白でラフスケッチすら描くことができません。それはまさに創作の壁でした。彼の努力もむなしく夜ごと不安だけが募るばかりで、芸術家としても個人としても、また美術学教授としても危機的状況に陥ってしまったのです。
ロンがはじめて私のクラスにやって来た時、彼の悩みを知っているものは誰もいませんでした。ロンに最初のブレイク・スルー(壁の突破)が起きたのは、2週目の「原子パターン」ワークを行なった日の夜のことでした。彼はいつものように自分のアトリエに立ち寄ったとき、この日は脳が活性化しているのを感じました。そしてアトリエに入って室内を見回したとたん、突如として芸術的創造性の衝動が沸き上がり、それ以後突き動かされるように毎晩休みなく彫刻に没頭し、ついにそれを完成させたのです。
彼は<原子パターン>のワークをするたびに、いつも脳が活性化されるのを感じるそうです。そして新たな彫刻にまつわる技術的な問題も、自分でも驚くような手際のよさで解決してしまったそうです。彼は、このかたもう何年も味わったことがなかったものを内に感じ、心を掻き立てられて触発されたと述べたのです。
うつ状態の解消
グエンは地元の大学に通う2年生ですが、彼女は最後のグループに参加しました。彼女は20代前半で少しうつむき加減の、声の調子は1本調子でほとんど抑揚がありませんでした。最初の<無限パターン>のワークに取り組んだ1週間では、いつもより少しはストレスがなくて学業に取り組めたと言っていましたが、それが彼女が気づいたことのすべてでした。
2週目のクラスのあと、グエンは他の人々と同じように<原子パターン>に取り組みましたが、彼女は多くの受講生たちが興奮して報告するようなことを何も経験してはおらず、ひどくがっかりしてこれ以上やる気がしないと言いました。私は彼女に、経験から言うとこうした幾何学パターンが効果をもたらすためには、繰り返す反復が非常に重要であることを伝え、今は結果は気にせず、まずは定期的に繰り返すように勧めました。彼女は努力してみると答えました。
そして<原子パターン>のあと、最後の幾何学パターンである<黄金正八面体>のワークに入りました。このワークには3つの段階があります。グエンはこの黄金の光の感覚がとても気に入ったようでした。4週目の最終回の時、私はグエンが明らかに変化していることに気づきました。彼女はクラスが始まる前に、それまで見せたことのない様子でほかの受講生たちと楽しく談笑していたのです。椅子に座る彼女の背筋も、うつむき加減ではなくすっきりと伸びていました。
そして最後に各自が体験したことを皆の前で報告するとき、彼女はこれまでになく饒舌(じょうぜつ)で、そして長く話したのです。彼女は「もうやめたい」と言っていたその後の1週間、グエンは毎日すべての幾何学パターンと取り組んだそうです。なかでも一番気に入っているパターンは<黄金正八面体>で、特に黄金色の光が脳内を満たすと心が落ち着いて、とても気分が良くなるとのことでした。そしてグエンはこのクラスに参加したとき、実はすでに何ヶ月もうつ状態であったことを打ち明けました。それが今では、ものごとがうまく回り始めているのを感じるというのです。
この練習をするたびに、より大きな結果が出せるようになり、ひと通り終えると、まるで脳が帯電しているような感じがしました。しかもそれだけではなく、ものごとの重なりを見通す目や多次元的な現実を知覚する能力が高まり、その感覚がますます増していくのがわかりました。
この3つの幾何学パターンにはそれぞれに名前があり、最初のもっとも単純なものは8の字やメガネ、無限のマークに似たものであったことから、<無限パターン>と呼ばれました。頭の中でこの形を描いていると、脳梁(のうりょう)が刺激されて、脳の2つの半球のあいだで神経学的な交流が活発になるように感じられました。この感覚はあくまでも主観的なものですが、しかしそれでもこの幾何学ワークにより、論理的かつ直感的な方法で問題に対処する能力が高まったのは確実です。
2番目の幾何学パターンは、原子核を周回する電子の軌道に似ていることから<原子パターン>と呼びました。中心の原子核に当るのは脳であり、それを周回する電子はイメージする光の点です。光の点を一定のパターンを描きながら頭のまわりを周回させると、脳にエネルギーが注がれるように感じました。3番目に教えられた幾何学パターンは、<黄金正八面体>というものでした。
この3つの幾何学パターンは、私にそして私の脳の処理能力に、否定しがたい影響をもたらしました。私は自分のその体験から、それが他の人にも大きな影響を及ぼすのかどうかを知りたいと思いました。そこで私は3つの都市に会場を設け、この幾何学パターンの効果を体験する希望者を募り、無料でワークショップを開催しました。そこには高度な技術を持つ専門家から一般人や学生まで、幅広く人々が集まりましたが、その結果は驚くべきものでした。ここでは何人かの例を紹介します。
芸術的創造性が戻ってきた
ロンは芸術家であり、同時に地元の大学で美術を教える芸術学部の学部長をしていました。しかし彼は数年前から、芸術家としても、また美術を教える教師としても仕事に魅力を感じなくなっていたのです。それに学部長という立場にもあったことから、管理職という立場が壁のように心理的な圧迫をもたらしていました。それで彼は学校の運営や教員たちの監督という務めにだけ奔走することで、自分がずっと感じている創造性の虚しさから逃げてきたのです。
危機が訪れたのは、半年に1度行なわれる学部職員による美術展の通知でした。
美術学教授として新作の出展を同僚に打診された時、立場上も出展しないわけにはいかず承諾はしたものの、彼には創造的な発想がまったくなかったので途方にくれてしまいました。
彼は毎晩、アトリエにこもっては独創的な作品を生み出そうと試みましたが、頭の中は真っ白でラフスケッチすら描くことができません。それはまさに創作の壁でした。彼の努力もむなしく夜ごと不安だけが募るばかりで、芸術家としても個人としても、また美術学教授としても危機的状況に陥ってしまったのです。
ロンがはじめて私のクラスにやって来た時、彼の悩みを知っているものは誰もいませんでした。ロンに最初のブレイク・スルー(壁の突破)が起きたのは、2週目の「原子パターン」ワークを行なった日の夜のことでした。彼はいつものように自分のアトリエに立ち寄ったとき、この日は脳が活性化しているのを感じました。そしてアトリエに入って室内を見回したとたん、突如として芸術的創造性の衝動が沸き上がり、それ以後突き動かされるように毎晩休みなく彫刻に没頭し、ついにそれを完成させたのです。
彼は<原子パターン>のワークをするたびに、いつも脳が活性化されるのを感じるそうです。そして新たな彫刻にまつわる技術的な問題も、自分でも驚くような手際のよさで解決してしまったそうです。彼は、このかたもう何年も味わったことがなかったものを内に感じ、心を掻き立てられて触発されたと述べたのです。
うつ状態の解消
グエンは地元の大学に通う2年生ですが、彼女は最後のグループに参加しました。彼女は20代前半で少しうつむき加減の、声の調子は1本調子でほとんど抑揚がありませんでした。最初の<無限パターン>のワークに取り組んだ1週間では、いつもより少しはストレスがなくて学業に取り組めたと言っていましたが、それが彼女が気づいたことのすべてでした。
2週目のクラスのあと、グエンは他の人々と同じように<原子パターン>に取り組みましたが、彼女は多くの受講生たちが興奮して報告するようなことを何も経験してはおらず、ひどくがっかりしてこれ以上やる気がしないと言いました。私は彼女に、経験から言うとこうした幾何学パターンが効果をもたらすためには、繰り返す反復が非常に重要であることを伝え、今は結果は気にせず、まずは定期的に繰り返すように勧めました。彼女は努力してみると答えました。
そして<原子パターン>のあと、最後の幾何学パターンである<黄金正八面体>のワークに入りました。このワークには3つの段階があります。グエンはこの黄金の光の感覚がとても気に入ったようでした。4週目の最終回の時、私はグエンが明らかに変化していることに気づきました。彼女はクラスが始まる前に、それまで見せたことのない様子でほかの受講生たちと楽しく談笑していたのです。椅子に座る彼女の背筋も、うつむき加減ではなくすっきりと伸びていました。
そして最後に各自が体験したことを皆の前で報告するとき、彼女はこれまでになく饒舌(じょうぜつ)で、そして長く話したのです。彼女は「もうやめたい」と言っていたその後の1週間、グエンは毎日すべての幾何学パターンと取り組んだそうです。なかでも一番気に入っているパターンは<黄金正八面体>で、特に黄金色の光が脳内を満たすと心が落ち着いて、とても気分が良くなるとのことでした。そしてグエンはこのクラスに参加したとき、実はすでに何ヶ月もうつ状態であったことを打ち明けました。それが今では、ものごとがうまく回り始めているのを感じるというのです。